容姿と若さが武器の婚活

専業主婦という地位を勝ち取った、若い美人の婚活回想録

ニートのケンちゃんの話…その3




早川の働いていたところはオフィスビルのワンフロアで、
窓口はオフィスに入った目の前にありました。



ある日のこと。
お昼休みから戻って、再び窓口業務の再開をすると、
入口のすりガラスの向こう側にスーツ姿の人影が佇んでいました。
すりガラスの向こうはビルの廊下なので、
電話してるのかな?位に思っていました。



しかし…
ガラスの扉の向こうの人影は30分…いや小一時間ほど動くことがなく、
少し気持ち悪いな…と思い始めました。






その時、一人のお客さんがやってきました。
ほとんどのお客さんが午前中に手続きをしにやってくるので、
午後初めてのお客さんです。



そのお客さんが開けたドアの隙間から、
必死にこちらの様子を覗き込んでくるケンちゃんの姿が。



小一時間廊下で佇んでいたのはケンちゃんでした。



「???」
なぜ小一時間も廊下に?
なぜ自分でドアを開けずに中の様子を確認した?
お客さんの対応をしながら、頭にはてなマークがびっしり。
いや、早川の頭はいつも不可解な男の動向ではてなマークだらけなんだけどね。
昔も、今も。



対応したお客さんが帰って行くと、
ケンちゃんが普通に入ってきました。
「??」が「!?」になりました。
様子を伺ってたやつが、なにしにきたのさ…。



いつも通り、手続きの書類と…そして、
「これ…どうぞ。」
と一冊のノートを手渡してきました。
それには猫の顔の形をした大きめの付箋が貼ってあり、
”よかったら読んでください。”
と書いてありました。



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