「そういうこと」って、
だから、
どういうことなんだよ。
てっきり、元カノが置いていったものだと思い込んでいた早川でしたが、
それを口に出さなくてよかった…。
もしも、この会話の切り口を、
「あのさ~、あそこにしまってある卒アル見たんだけど…。
金井さん載ってないよね?
元カノさんとかの忘れ物なの?」
とかうっかり口走っていたら、そう丸め込まれていたことでしょう。
…ここは慎重にいかねば真実への紐が途切れてしまう。
じっくり考えて、少しずつ慎重に手繰り寄せていかなければ。
早川「…。
そっか…。」
何一つ理解していないくせに、
早川は、全てを悟った――
といった空気を醸し出す早川。
さて、金井の口からなにが語られるのか。
すくっと立ち上がると、クローゼットに向かった金井。
先ほどまで早川が必死に金井の存在を確認しまくった卒アルを手に机に戻ってきました。
広げやすい様に、机の上の料理を端に寄せましたが、
広げる前に、金井が口を開きました。
金井「どうしてもゾンビちゃんと結婚したいって気持ちのが勝っちゃったんだ…。」
早川「そう…。」
おい、なんなんだよぉ~
韓国人じゃないんだよね!?
さっきはっきり「日本人」って言ったもんね!?
そこは間違いないんだよね!?
どこを探しても金井の写真がなかったはずの卒アルから、
一つのクラスのページを開き、
個人写真の一つを指さして早川の方に差し出しました。
そこには、
見たことも聞いたこともない、
男子高校生がいました。
??
しかしこのキョトン顔を悟られるのはまずい。
神妙な顔つきのまま、凝視し続けました。
金井「高校卒業したタイミングで、
今の通名に変えたんだ。
それから、大学進学でこっちに来て、
初めての夏休みで、
整形した。」
2つのブログランキングに参加中です。
押していただけるととても嬉しいです。
婚活ランキング