容姿と若さが武器の婚活

専業主婦という地位を勝ち取った、若い美人の婚活回想録

交際をやめた男とパーティーで再会した話…その2



早川の人混みのすり抜けスキルを侮ってはいけない。
街を歩けばあらゆる方面から声をかけられる美人は、様々な角度から人の流れを見ることに長けているのです。
モデルやらの芸能界系から水商売、美容室のカットモデルやら…まともに聞いてちゃろくに歩けない。
このスキルは都内の繁華街で遊ぶようになってから、自然に身につきました。
…容姿が普通以下の人はここまで考えないで堂々と歩けるんだな〜って思うと、少しうらやましいです。



街はロマンチックなのに、全くもって距離が縮まらない美人にやきもきマックスハートな松永氏。
ついに痺れを切らし、
「ねっ!あそこに座らない?」



指さした先にあったのは、












シャイニングハートベンチ(勝手に命名)



ものすごい人通りがあるのにも関わらず、人が座っていない。
あぁ、奥ゆかしい日本人の心っつーのはまだ息衝いていたのだなと。



勘弁してくれ…。



いや、美人な早川が座るのはよしとしよう。
シャイニングハートを華麗に着こなせる自信はある。
というか、早川込みのフォトロケーションみたいになるくらいの馴染ませられる自信に溢れてる。



しかし鼻毛男とシャイニングはしたくない。
ここで一カラットの指輪を差し出されたとて、
一本の鼻毛の存在感には勝てない。



早川「恥ずかしいから嫌です!」
苦笑いしながら、精一杯の拒否。



松永も苦笑い。
お前が苦笑いする権利はねぇんだけどなぁ…と思いながら、
そのままさりげなく駅に向かい解散を促したのでした。



ここまで松永氏=鼻毛本体位の扱いですけど、
松永氏は鼻毛さえなければ、本当に良い人でした。
年収は早川の希望には届いていませんが、その100万円がカバーできる容姿でしたし、おしゃべりも普通に楽しめました。



そんな人が、婚活市場に足を踏み入れるのに十分な存在。
それが鼻毛なのです。


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