容姿と若さが武器の婚活

専業主婦という地位を勝ち取った、若い美人の婚活回想録

騙されて慰謝料もらった話…その38




カバーから外して、
校歌が載ってるページや、
教員の集合写真の見開きをすっ飛ばして、
クラス別のページまでひとっとび。



まず普通科1クラス目
金井…



金井……






いない。



2クラス…



3クラス…






いない。



普通科じゃないコースの1クラス目から。



また別のコースの1クラス目から…。









いない。






いない…。




全部で10ないほどのクラス数。
何度見返しても、
一人一人、名前と写真を確認しても、
金井が写っているものはありませんでした。



え、本当に、
このアルバム、
誰のなの?







呆然としていると、もう日が暮れかけていました。
これ、もしかして、
本当に誰か違う人…例えば元カノ、とかのモノだったりして。
そうだったなら、
奥深くに隠すように置いてあったのも、
金井本人の卒業アルバムは実家にあって手元にないと言ったのも、
すべて合点がいきます。



アルバムを元に戻して買い物に行くことにしました。
色んな考えが巡りながらも、
夕食を作るという目的はきっちりと果たそうと思っていたのです。
これも、まだ自身のことを「日本人」と言っていた金井のことを信じていて、
好きという気持ちがあったからです。



ラインにいつもより少しだけ早く、
「今から帰るよ!もう部屋にいるの??」
というメッセージが入ったので、
「もうご飯作ってるよ!
帰ってきたらちょうど出来上がってるはず!」

と返事を送りました。



料理をしながら、
今日切り出すべきか、否か、
切り出すなら、どう言うべきか、
心の中であらゆる言葉が浮かんで消えます。



切り出すしかないよね。
次の週末は、金井実家に行くんだもん。
どっちにしても実家行ったら、分かる事実だけど。



「黙っててごめん、
興信所に結婚調査してもらってたんだ。」
って明るく切り出す?



「ごめん…色々気になっちゃって、
クローゼット見たら卒業アルバム見つけたんだけど…。」
って反省の色を出しながら切り出す?



鍋をかき混ぜながら考えていると、
玄関から、鍵が回る音がしました。



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